LIFE IS BEAUTIFUL@HK /JP 25年ぶりの日本暮らしとお仕事、旅…

日々色々なことはあるけれど「人生は美しい」と言い続けたい。

【ファミリーストーリー】お義母さんの復習③

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こんにちわ。ろみい(@RomieRomie5)です。

 

お義母さんの復習...最終章です。

 

 弟の思い...

 元旦那が何度も息子に会わせてくれと言ってきてても、会わせせなかった彼女(お義母さん)。
そして、父親が会いたくて仕方のない息子に 

「父親には会いたくない。」と言わせしめることが
彼女にとって、元旦那への復讐だったのです...


「俺には、とうの昔からおやじなんていないよ。
絶対に会うもんか!! 俺達を捨てたひどいヤツ。
俺は憎んでいるんだ!
お母さんは、苦労ばかりしてきたじゃないか...。」

そう、言い続けてきた弟。

結婚して、自身が子供を授かった後も、その思いが変わることがありませんでした。

父と会っていた兄からの、父の頼み」も一切聞こうともしなかった弟。
弟の思いは、深いものでした。

父親に癌が発覚

そんなある日のこと、わたし達の耳に”お義父さんが倒れた。”と連絡が入ってきました。お義父さんは、倒れた時の入院先で検査を受けました。

そして、そのまま入院となりました。病院で分かったのは、もう治る見込みのない肺癌にかかっていたということでした。

4番目のお義母さんにお医者さんから告げられました。

「もう、1年持つかどうかわかりません。ご高齢なので治療はなさらないほうがいいでしょう。する方法もありますが体への負担も心配です。」と...

残りの命は、あと1年もない。
歳のことも考えると、何かあった時には早くなるかもしれない。
覚悟しておいて下さいと家族に宣告された。

延命の為の治療も話し合われたのですが
お義父さんは、痛みに対応する薬は受けるけど
癌治療は、一切拒否しました。

その後、何度か危ないところを通りながらも元気な顔を見せてくれたお義父さんでした

息子である主人に

「もう、心配は何もしていないんだよ。僕は、天国に行くんだから...
ただ、心残りは幼い時から会ったことのないお前の弟と会っていないことだな。
お前達にもそうだったかも知れないが、父親らしいことをしてあげれなかった。
あの子に会って話をしたい。」

そう、言うのでした。
 

最後の願い...

そんなある日、主人とわたしは弟に時間を作ってくれるように頼み

会いに行きました。

「お父さんと会ってみない?
お父さんは、お前に会いたくて仕方がないんだよ。
今、もう治る見込みのない癌に侵されている。いつ天国に行ってもおかしくないんだよ。

 お前にとってもそう...


 会わなくて後悔するよりも会っておいたほうが、後悔は少ないと思うんだ。」

主人は、そう弟に告げました。

今までであれば、全く聞く耳も持たない弟でしたが
この日は、何か奇跡が起こったようでした。

”そうだね・・・。

僕も父親になって”父親”というものを考えるようになったんだ。
今度、会うよ。
お父さんと早めに逢う日を設定してくれないか?”とそう言いました。

この何十年か、許すことさえ出来なかった父親への始めての歩み寄りでした。
兄は、その次の週にお父さんと弟の再会の日を設けました。


母の復讐の終わりと38年ぶりの親子の再会

弟と兄は、父に会う前にも母にも伝えておいた方がいい
わたしとお義母さんとお兄さんを呼び出しました。

そして、母にも父に会うことを理解をしてほしいと
レストランで食事と共にし、そのことを話したのでした。

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それが゛お母さんの復讐①゛に書かれたあのお昼の出来事でした。

今から10年前近いあの日のお昼。
主人とお義弟さんとお義兄さんと、そして、お義母さんと飲茶に行って来ました。

この日は、すでに集まって美味しい食事をしながら
3時間ぐらい居座って、いろんなものを食べたのですが
ここに集まっていたのには、大きな訳がありました。

 

中略

お義母さんの知らない間に行われたある計画が気に入らなかったのでした。

 

なぜならば、一人の人間が一生会う事はないと思っていた人に会うことになったからです。
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そうです・・・

お義母さんは、息子たちから、癌である父に

これから会いに行くと告げられていたのでした…

もちろん、お義母さんはいい顔はしませんでした。

 


しかし、しばらくの間黙って、不機嫌なままでしたが...
一言、こう言ったのです。

 「あんたも もう大人だしね!」

感情では、許せない思いが未だに残っていたようですが
それは、理性と母性で、まるで弟の背中を一押ししてくれたように見えました。
(一言も「行って来たら・・・。」とは言いませんでしたが)


この日・・・・

お義母さんの元旦那への復讐が終わったのでした。

お義母さんが私の耳元でこう言いました。

”わたしもこのまま 人を許さないで・・・
憎んだままで あの世に行きたくないからね。”

本当はお義母さん自身も、お義父さんを許す
この復讐を終わらせるきっかけがほしかったのではないかなと思いました。



その日の午後、38年ぶりの再会を果たした父と子の姿。

握手が交わされた後、他の家族は全員退いて
父と弟だけで2時間、別部屋にこもって話をしていました。

何が話されたのかは...わかりません。

2人にとって、重要な日になりました。


弟にとっては、生涯忘れることの出来ない日となりました。
後に、彼がそう教えてくれました。

本当に良かった...

その翌週のことです。

お義父さん 危篤”との連絡が入りました。

家族の皆が病院に駆けつけました。


あのお義母さん以外は...

近所に住んでいた第3婦人の家族と第4夫人の家族は、
安らかに逝ったお義父さんを天国に見送ることができました。
「凄くいい顔していたよ。」と・・・。

わたし達は、最後の時には間に合いませんでしたが、
もう目を覚ますことのないそのお義父さんの顔から

悔いなく、天国へ行けたんだな...
そう思わされる穏やかな顔を見つめていました。

この1週間前にお父さんと弟が会うことが出来ていて本当によかったと・・・

感謝しました。(あの日を逃したなら、弟は、お父さんと生きて一生会うことが出来なかったでしょう。)
不思議な不思議な人生の導きでした。


お義弟も「会えてよかった。会えててよかった。」
そう言っていました。

長い間、会うことがなかった父と息子。
会わせなかった母。

時が流れ、父に思いをはせるようになった息子。
許せない気持ちを手放した元妻。

この父によって波乱?な道を歩んでた10人の子供たち・・・

いろいろあったけど、息子へ元夫へ会わすことを受け入れたお義母さん。


そして、彼が天国に行く前には、許そう。」と思えた

お義母さんの長い復讐は幕を閉じたのでした。

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只者ではないお義父さん

お葬式の日、10人の子供たちの姿と2人の妻。
そして、孫たちの姿がそこにありました。

「バラバラだった家族が、もう一度 
お父さんの死によって集められるなんて不思議よね。
わたし達の家族って... こんなにもいたのね。 

ホント お父さんは、最後まで只者ではないわね。

そう、穏やかに話す家族の姿がありました。

  

終わりに

あれから10年以上の月日が経ちました。あの時幼い子供たちがもう大学生ですから、時の流れることの早さを実関しています。

わたしたち家族を取り巻く環境も大きく変化しました。

あの弟も実は、この後、父と同じ肺癌にかかり父の後を追うように他界しました。

 

きっと天国で話をしているに違いないと...思わずにはいられません。笑。

そして、お義母さんの話も...(´艸`*)

 

では、

 

 

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ろみい

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