LIFE IS BEAUTIFUL@HK /JP 25年ぶりの日本暮らしとお仕事、旅…

日々色々なことはあるけれど「人生は美しい」と言い続けたい。

姑を通して、ゴミ屋敷に住む方のことを真剣に考えた...

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こんにちわ。ろみいです。

 

ゴミ屋敷というのは、テレビで見て想像してはいたのですが、実際に現場に行くと想像以上のものです。その視覚だけでなく、臭いと息苦しさ。そして、歩く空間もないその部屋に身を置いたときの恐怖...

本当に周りにいる人にとってみれば、不思議なことなんですが...

彼らは、そんな場所に住んでいるのです。

息子たちの片づけ作戦

母の住んでいる3LDKのマンションがゴミ屋敷になっている状況に耐えかねて、息子たちが実践した計画...それは、わたしがお義母さんを食事に誘いだしている間に少しでも多くのごみを捨てるということでした。

 普段から、ゴミを捨てることを拒絶するお義母さんですから(時々、玄関のドアさえ開けない)、こうなったら強硬でゴミを捨てるしかない。息子たちはそう思ったのでした。

 最初の1時間ぐらいは、息子たちも一緒に飲茶(レストラン)に行っていましたが、その後、買い物に行くと言ってその場を退散。彼らは、お義母さんのマンションに踏み込みました。

体格のいい彼らは、玄関に入るとそれ以上歩くことが難しかったので、入り口付近のごみと思われるものから、雑誌、新聞を黒い普通のモノよりもかなり大きなゴミ袋の中に入れていきました。

その時に捨てたのは、約15袋のごみでした。

その後、彼らは何食わぬ顔で実家の母の家を去りましたが...その夜、お義母さんは気が狂ったように、2人の息子に電話をしてきました。

 

「あなたたちは、何をしたのか!?

 大事なものがたくさんなくなっている!」

 

彼らは、お義母さん自身が危険であること、不健康であること、だから、すごく古い雑誌、新聞、賞味期限切れの食べ物、使えないものを捨てたことを伝えましたが...

その日のお義母さんは、錯乱状態で大泣き。電話の受話器越しの声が丸聞こえになるほど大声でわめき、泣いていました。

その日を境に、お義母さんは玄関のカギを全部交換してしまいました。もう、誰も信用できないと...合鍵を渡さなくなりました。

その日以来、お義母さんの許可なしでは誰も家の中に入れなくなり、ゴミ屋敷の状況は日に日に悪くなっていきました。

ゴミ屋敷に住む人の心理

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わたしは、お義母さんのことからどうしてこのように「ゴミ屋敷」に住むような状態になってしまうのか知りたいという思いから、いろいろな情報を集めました。一概にこうだから「こう」といういくつかの理由だけでなく、いくつかの要素が重なって、こうなられる方が多いという結論に自分の中ではなりました。

その中のいくつかを紹介します。

過労のストレス

とくに仕事をしている方で、大きなストレスを抱えておられる方。上司や取引先からの依頼を断ることが難しい、仕事上で無理をする経験は誰でもあると思います。特に真面目で、勤勉な方ほど、特にその傾向が強いように感じます。

働いても思ったような成果が得られない、ミスをしてしまったなどが続く、上司からの圧力などは、精神的にも大きな負担がかかります。

そんななか、自宅に帰るとヘトヘトにつかれた上に、ゴミ捨てが面倒だなと感じて放っておいたら、気づいたらゴミが溜まりすぎていた、という方は少なくないようです。

本当は周りに気を遣う方々なのだと思います。追いつめられ、心は、なす術も無く、ゴミ屋敷を受け入れてしまうのです。

 

家庭環境のストレス

夫婦間の中が非常に悪くなったり、こどもたちが独立したり、家への愛着がわかなくなってしまった場合、その場所をキレイにしようなどとは思えなくなるのが人間。

逆に誰も家に来ないし...テレビやパソコンの前にすわれるスペースがあればいいといった堕落的な生活に慣れてしまい、汚れた環境が落ち着くといった精神状態になってしまう方々もいます。

こういう方々は、外では立派な社会人、または、一見普通の方々が多いのですが、外で気をはっているのでしょう。その重圧を解放したいのですが、行き場をなくしたストレス発散口は精神を蝕むこともあるようです。

 

社会的孤立

上記の家族観ストレスも関係がありますが、例えば、定年を迎えた方、外の社会との繋がりをなくした方、伴侶を亡くした方が孤立してしまい...生きがいをなくし、ただ、時間が過ぎていくのを待つだけ...というような孤独な状況から、ゴミ屋敷にしてしまう方もいます。

ある老人は言われました。「もう誰もわたしを必要としていない。後は死ぬのを待っているだけ...」

 

姑(お義母さん)の場合

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お義母さんの原因と思われたのは、いくつかありました。

・若い頃は裕福な家庭で育っていた。いつまでもその生活を懐かしんでいた。

・ご主人との離婚

・息子たちの結婚により、ひとり暮らしとなった

・息子(弟)の他界

 

裕福な頃の生活が忘れられずにいつも、豊かなものに囲まれて暮らしたいということは、本人も時々、口にしていました。しかし、それは、わたしたち夫婦の許容範囲を超えたものでした。なので、彼女は、他に代替えを求めたのかもしれません。

また、結婚を機に息子たちは、母親にどちらかの家で一緒に暮らそうと同居を持ちかけたのですが、『ひとりがいい』と譲りませんでした。なので、毎週、一緒に食事をし、ともに過ごす時間も持ちましたが...お義母さんは、とても寂しかったのかもしれません。両親との死別、夫との離婚...年を老いていく中での子供たちの独立。息子との永遠の別れ...

丁度、弟が他界してからの状況は深刻化していきましたから...。

 

その頃、私自身は仕事が非常に忙しく香港にいることも少なかったし、主人も単身赴任で海外で働いていたので、今まで以上に孤立してしまったのだろうと思います。

社交的なひとではありましたが、本当にこころからお付き合いできる人は、そんなにいなかったのかもしれません。

 

終わりに

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弟が他界し、お義母さんはさらに精神的に落ち込み、ゴミ屋敷レベルもあがります。それから、数年後には、老人性痴ほう症も発症し、一人暮らしは無理な状況になりました。最初は入退院を繰り返しましたが、病院からは『一人暮らし不可、介護要』と判定され、そこから、長期で入院することになり、その後の退院後は老人ホームに入ることになりました。

 

そこから、あのゴミ屋敷の本格的な片づけが始まったのです...

 

では...

 

ろみい